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古代

世界最古の金貨=マネーの起源ともいうべき“リディア王国の金貨”から始まり、ギリシャ世界、ペルシャ帝国、最も影響力のあった一人であるマケドニア王国から始まったアレキサンダー帝国、そしてローマ帝国へ繋がっていきます。
歴史上の人物でも、アレキサンダー、哲学者アリストテレス、カルタゴのハンニバル、カエサル、クレオパトラ、アウグストゥス、元老院、キリスト等、重要な人物が多数登場してきます。
国家の支配者たちは、国家間の争いにかかる戦費の捻出にこのコインが非常に重要な要素を持つことになります。国家の維持=生命の維持=戦力の維持=コインの確保 という事になります。
この古代編は、約2600年前から約1600年前頃までという、約1000年間を扱います。

~世界最古の金貨~


ライオンと牡牛が向き合っており、古代における太陽と月を象徴としたという説がある


リディアは小アジアに位置しており、B.C.7世紀に初めてコインが造られた。その製造されたコインは金と銀との自然の合金である、エレクトムと呼ばれる貴金属貨幣であった。これはリディアのトムルス分水嶺から流れ出す河川の河床から発見された金貨で、ギゲス王によって発行された。
当初は秤量貨幣だったことから正式には額面がなく、一部の文献などでは整理の必要上、スターテル貨と呼んでいる。このタイプは表面にライオンの頭部と裏面に簡単なデザインを打刻しただけのものだった。しかしB.C.640年から630年にかけてスターテルという貨幣単位が生まれ、560年頃にはエレクトルム貨に代わって金貨や銀貨が発行されるようになった。
これらのコインには、牡牛とライオンが表裏に書いていた。

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インキューズ

インキューズとは、表面に浮き彫りにされた意匠がそのまま裏面に凹んで打刻されているもののことです。
右図は古代リディア王国金貨の裏面の様子です。

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~ローマ帝国・アウグストゥス帝 アウレウス金貨~


月桂冠をつけたアウグストゥスの横顔が描かれている


裏面は、アウグストゥスの外孫で養子としたガイウスとルキウスがトガを着てそれぞれの片手を立ての上に置いている様子です。
盾の後ろには交叉した2本の槍、その間に神具である柄杓とリトゥウス(占いに使う曲がった杖)があります。
アウレウスとはローマの共和制及び帝政を通じての金貨の貨幣単位であり、B.C.206年にローマ史上最初の金貨が発行されました。これに先立つこと10年、B.C.216年の6.8グラムの量目を有するスターテル金貨とその半分の1/2スターテル金貨を最初のものとする説があります。

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~ギリシャ・アテネ テトラドラクマ銀貨(アテナとフクロウ)~


兜にオリーブの葉を付けた知恵と戦いの女神アテナ


アテナは全知全能を司る大神ゼウスと、「叡智」や「思慮」及び「助言」を意味する知性の女神、メティスの子です。
メティスはゼウスの子(アテナ)を身籠るが、その子供にはいずれ父親を殺すであろうという予言がされていました。そこでゼウスは妊娠していたメティスを丸ごと飲み込んでしまいます。
激しい頭痛に襲われたゼウスは自分の頭を斧で割り、そこから出てきたのが成長したアテナ神でした。
アテナは戦争の神でもありましたが、侵略や破壊の戦いではなく防衛の戦いを主とし、勝利する為の戦術に長けていたといいます。
フクロウは彼女の遣いであり森の賢者、学問の神とも呼ばれており、アテナの銅像の周りには必ずフクロウが置かれています。

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