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古代ローマ帝国滅亡以降

約1600年前から約100年前までの、約1500年間を扱います。
国家、宗教、ヒエラルキー、貨幣から金融社会への変革と共にある、「信用」に基づくお金という歴史。
人類の争いは続きながらも、近代国家への歩みを続ける、最も人間らしさが色濃く出る時代でもあると感じます。
そして、現代に残るほとんどの美術品はこの時代のものであり、”アンティーク”としての美術品という人類の最も美しく、そして最も人間らしい、そして最も希少で貴重な現物だと思われます。

コインは宗教的思想の普及や、宣伝、権力の誇示のために用いられるようになりました。
世界貿易が盛んになるにつれ、コインは世界中を駆け巡るようになったが、生産が追い付かなくなっていきました。
17~18世紀には王や信仰などの象徴などを刻むのが主流でしたが、やがて国全体のイメージを刻むようになりました。様々なデザインが生まれ、クオリティも向上していきました。
また、利便性を求めて、紙幣が発行されるようになりました。

1691 ウィリアム&メアリー 5ギニー金貨

1691 ウィリアム&メアリー 5ギニー金貨

ウィリアムはチャールズ一世の長女メアリーの子であり、オレンジ公としてルイ十四世に対抗しました。ジェームズ二世の長女メアリーと結婚しましたが、ジェームズを逐って英国王となり、権利宣言を承認しました。メアリーが1694年にわずか32歳で歿したことにより、このウィリアムとメアリーの共治は終わりを告げました。ウィリアムとメアリーのコインは、すべてに二人の肖像画が描かれています。

1740/39 ジョージ2世 2ギニー金貨

1740/39 ジョージ2世 2ギニー金貨

ジョージ二世は一世の子であり、一緒に英国へ渡り、プリンス・オブ・ウェールズに叙せられました。オーストリア継承戦争では、自ら英国、ハノヴァー連合軍を率いて戦い、フランス軍を破りました。国政は内閣に委ね、責任内閣制はさらに発達しました。ジョージ二世のコインにも、小さな文字あるいは言葉を記したタイプが存在しました。例えば"E.I.C"は「東インド会社」からの金属を意味し、これによって製造された金貨や銀貨の肖像の下部に見られました。また”LIMA”はアンソン提督によるスペインの通商破壊により、ペルーで獲得した金銀によるコインであることを示しました。

1847 ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨

1847 ヴィクトリア女王 ゴシッククラウン銀貨

ヴィクトリアは英国の女王として64年にわたる歴代国王中最長の治世を行い、帝国の最も輝かしい時代を築きました。彼女はジョージ三世の四男ケント公の娘として生まれ、18歳で即位しました。40年にはアルバート公と結婚、立憲君主としての地位を固め、国民に敬愛されました。77年にディズレーリ首相の計らいでインド女王の称号をも得ました。英国だけでなく様々な国でヴィクトリア女王の肖像を描いたコインが使用されていました。英本国においてはゴシッククラウンのような美しいコインに肖像を描いたことで知られると同時に、長い治世だったため実際の年齢よりはるかに若い肖像のコインが通用していたことでも有名です。

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